エンティティ・コンプレックス

不思議な出来事、未確認な事柄を考察する

フラットウッズ・モンスター

1952年9月12日。アメリカのウエスバージニア州、ブラクストン郡フラットウッズにて、恐ろしい未確認生物が目撃される。

俗に言う「3メートルの宇宙人」である。

 

wikipediaによるとモンスターは高さ10フィートで光る目を持ち、スペードのエースのような形状の頭部を持つ。緑色の衣服を身にまとい、短い腕、長い爪を持つ、宇宙人というより怪物と言ったほうが合っていそうな風貌だ。

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この有名なイラスト+写真はあまりに有名で、当時のオカルト系の記事には必ず出てきた。この秀逸なイラストがこのモンスター(宇宙人?)を有名にしたと言っても過言ではない。

 


 事の概要


 

 

学校のグラウンドにいた少年たちは、近くの農場の丘に落下する光る物体を目撃した。

目撃したのはエドワード、フレッド、トミーの三人で、その後、母親のキャサリン、ウエスバージニア州兵のレモン達と探索に行くことを決意する。

キャサリン・メイ

エディ・メイ

フレッド・メイ

ユージン・”ジーン”・レモン

ロニー・シェーバー

トミー・ハイヤー

ネイル・ナンレイ

+レモンの飼い犬

の7人+は、現場の丘(ベイリー・フィッシャー所有)に向かうと、辺りには靄が立ち込めており、異様な臭いが充満していた。

現場付近に点滅しながら、唸るような音を発する大きな球体状の物質が有ることを証言している。大きさは直径5メートル、高さ1.8メートルの大きさで、資料によって、燃えていたとも言われている。

そんな中、暗闇に蠢くものがあったため、ライトで照らして見ると、そこに現れたのは「フラットウッズ・モンスター」であった。

 


その後


パニックになった一行は、慌ててその場を逃げ出す。悪臭のためか激しい鼻の痛み、嘔吐などを引き起こしたという。この騒動を聞いた近所に住むマックス・ロッカード氏が車で現場に向かったが、其処には何もみつからなかったという。警察も訪れたらしいが、彼らが言う痕跡は見つからなかったという。

 

翌朝、地元の新聞ブラクストン・デモクラット紙の記者が現場を取材したところ、オイルや足跡のようなものを発見するが、これはロッカード氏の車の痕跡であると後にわかっている。

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メイ兄弟と母親キャサリン

 

その後にはTV出演を果たした、メイ兄弟とキャサリン。それによって一気にこのフラッドウッド・モンスターは全米で誰もが知る存在となる。

 


実際は違う風貌


 

あの恐ろしくも有名な合成写真は、超常現象研究家のグレイ・ベイカー氏がイラストと現場写真を合成したものであり、実際はあのような姿ではなく、よりメカニカルな風貌であった事がわかっている。

1990年になって、ジャーナリストのフランク・フェシーノ氏が再編成したのが、以下のイラストである。

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有機的と言うより、ロボット風であり、あるいはこれ自体がUFOにも見える。

 

フレッド・メイが後年になって書いたイラストも同じものであり、あのような不気味なものでは無いことが分かる。

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フレッド・メイのイラスト。顔が同じような形だが、造形が大きく異なる。

 


真相


 

謎の落下物については、隕石の可能性が高いという説がもっとも多い。隕石が落ちてきたのなら、炎が燻っていても不思議ではないし、硫黄を含んだ鉱石であれば、異様な臭いや不快感なども説明出来る。

また、火災による煙のせいで彼らに症状がでたという事も考えられるが、その後に見に来たマックス氏が何も痕跡が見つけられなかった事は不可解だ。

資料を読むと、マックス氏は案内も無く一人で現場に向かった可能性が高く、そのため違う場所を探索したのかも知れないが、地図を見る限りでは現場はだほど森に入っておらず、農場の小屋の近くで有ることが伺える。したがってマックス氏が別の場所を探索するという事は無かったと考えると、痕跡が無いことが一番の謎といえる。

 

 

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上部の赤丸が小学校、下部の円が現場である。見ると小屋のようなものが近くにあるのが伺える。

 

また、宇宙人の正体に関しては、メンフクロウという説が一般的だ。確かに能面のような頭部は似ていなくもない。

時間が日が暮れてからという事を考慮し、且つ空中に居たという事を考えるとその説が真相とも思える。

ましてや、パニックを起こしており、通常に判断できる事が一瞬の見間違えが発端で集団ヒステリーを起こし、フクロウを宇宙人に見間違えるという事もあり得る事と思うが、あまりに目撃証言とのギャップににわかに信じられないというのが本当の所だ。

 


結末

 


結局、この「フラットウッズ・モンスター」とはなんだったのか?公開された合成写真はマスコミによる誇張された表現である事がわかった。目論見通りそれは成功を収め、現代に至っても、この合成写真は複製され、ネットの彼方此方で閲覧できる伝説になった。人々の記憶にある程度記憶され、臨海を超えると、それは真実となって流布される。このフラッドウッドモンスターは、実在しないかも知れないが、それは物理的な存在であって、人々の記憶に留められた時点で、存在している事となるのだ。

 

たとえそれがフクロウの見間違えであっても、フラットウッドにはモンスターが存在していたのだ。