エンティティ・コンプレックス

不思議な出来事、未確認な事柄を考察する

南米の吸血鬼。チュパカブラ

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チュパカブラと思われる生物。ただしどう見てもCG

 

1995年プエルトリコ島にて、奇妙な事件が起こる。家畜のヤギが何者かによって殺され、血を抜き取られるという怪事件が起きた。

家畜のヤギの首や顎下には細かな穴が空いており、周りには血が吹き出た後は無かった。

 この事件をきっかけに、各地で地の抜かれた家畜が発見され、この家畜の血を吸うと思われる生物を「ヤギの血を吸うもの」というスペイン語から「チュパカブラ」と呼ばれる事となる。

プエルトリコは以前スペインの植民地であったため、スペイン語が主に使用されているので、スペイン語で名付けられた。ちなみに現在は自治区連邦である。

チュパカブラを目撃した人間によると

双眸は真っ赤で大きく、小さな鼻孔が2つ空いている。口は大きく開いており、その上下には鋭い牙が生え揃っている。さらに舌は長く尖っおり、前肢は短く鋭い鉤爪が備わっておりその数は3本だ。足は逞しく移動速度も早く、高くジャンプする事も出来、個体によっては羽が付いているものも居るという。

 

プエルトリコの事件は1995年3月11日、プエルトリコ本島の首都サンファンの南東にあるカノバナスという村で起きた。家畜たちは全部で8頭全てヤギであり、周りには血痕がなく、血が体内から完全に抜かれていたのである。

 

このような死骸に対して、プエルトリコに獣医カリオス・ソトは、

死骸の首や下顎に直径6ミリから13ミリの穴が空いており、それ以外の外傷は無い、先端が鋭利で、且つ柔軟性があるものによって空けられている。これは既知の肉食獣では開けることが不可能である、とコメントしている。

 


正体はコヨーテ?


 

トカゲのような風貌で、かつヤギを襲う肉食獣というイメージのチュパカブラだが、実は乾癬を患ったコヨーテではないかという説がある。

犬科の生物は、乾癬に弱く感染すると重篤な症状を引き起こす。乾癬はある種のダニが媒体となり感染するのだが、重篤になった犬科の動物は毛が抜け、皮膚が荒れ、見た目がかなり変貌してしまう。ヤギを襲うのもコヨーテではよくある話だが、血を吸うという所は当てはまらない。

 


血液が無くなったのは昆虫のせい?


 

では、昆虫説はどうだろう?生物が何らかの理由で死ぬと、ハエがその遺体に卵を産卵する。蛆は産み付けられると1日も経過せずに蛆となり、繁殖を始める。蛆は血液を食べるのであたかも血が吸い取られたように見える。また、小さな穴も蛆が皮膚組織を食べてしまったため、そのような穴が空いたのではないかという説もある。

 


全ては不確定。


 

1995年の事件以降に主に南米で類似事件が多発したが、これは集団ヒステリーの症状によく似ている。一度有名な事件が起きると、その時を境に各地で類似事件が発生するのは、似たケースや関係ないもの、無責任な噂話が流布された事によって創られたものが多く存在するからだ。

その原因として、これだけ事件が起きていても、はっきりと写った死骸の写真が無く、チュパカブラの細かなディティールもはっきりしないからだ。

家畜が死ぬことは割とよくある事であるし、野生動物に襲われる事もあるだろう。発見された時間も何時間経ったものなのかはっきりしないため、いろいろな憶測を呼び、家畜が奇妙な死に方をすると「チュパカブラ」のせいになったのではないだろうか。

 


蛇やトカゲは畏怖の対象


 

チュパカブラは宇宙人という説があるが、それは大きな双眸とトカゲのような皮膚のせいではないだろうか?出没地点にはUFOを目撃したという情報もあるが、信憑性は少ない。

未知の吸血動物が居たという事も考えられるが、既知の動物の変異体、あるいは奇形と考えたほうが確率は高いと思われる。吸血は脊椎動物でも居るわけだから、タンパク質を取得するため、吸血をする動物がいてもなんら不思議ではない。

 ひょっとしたら、ハシボソガラパゴスフィンチのような吸血鳥の一種かも知れない。(ハシボソガラパゴスフィンチはガラパゴス島にすむ鳥で、カツオドリの翼を嘴で突き、血を吸う吸血動物である)

翼があるという目撃情報もあるため、ひょっとしたら鳥の一種がその正体7日も知れない。

古代南米では翼の生えた蛇「ケツアルコアトル」が崇められていたし、聖書ではアダムとイブを唆したのは、やはり爬虫類の蛇だ。この古来から崇め、畏怖された蛇や爬虫類(トカゲ)に翼をもったチュパカブラは、人智を超えた生物なのかも知れない。

 

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ケツァルコアトルの彫像